2024年度研修旅行のご報告

10月13日、日帰りで静岡市への研修旅行を実施いたしました。

JR静岡駅新幹線口に午前9時15分集合。東京方面9名、岐阜1名、静岡6名の参加者が朝早くから静岡に集合。16名で貸切小型バスに乗り、ご挨拶後本日の行程、資料等の封筒をお配りして、最初の浄土宗金米山宝台院に向かいました。10月も半ばというのに、気温27度との予報で少々暑さを感じます。駅から15分位で家康公側室「於愛の方」墓所に着き、2階の本堂で(国重文)阿弥陀如来像のご本尊を拝し、3階で寺宝(市重文)家康公の自画像等拝見しました。寺院の入口には於愛の方(西郷の局)の立派な墓(市重文)があります。

次は浄土宗玉桂山華陽院に向かいました。堀田卓文住職のお出迎えを受け、本堂は修理中の為庫裡にてイラストを使った分り易いご説明をお話ししていただきました。玉桂山華陽院は家康公が祖母「源応尼」の供養の為建立され、その名は「華陽院殿玉桂慈仙大禅定尼」という戒名からつきました。 墓処をご案内、説明して頂きましたが、 家康公の五女市姫の大きな墓処と並んで祀られていました。水野完太郎会員の菩提寺でもあり、拝観する為にお骨折りをいただきました。

ご住職に見送られ昼食会場の日本料理「うおかね」に向かいました。 店頭でバスを降り広い座敷に用意された席にて、まず小堀政雄副会長の乾杯で喉を潤し、家康公縁りの「折戸なす」の田楽や駿河湾名物の「桜えびのかき揚げ」等、美味しい食事を頂き、各々の自己紹介等和気藹々と前半の行程を終えました。

臨済寺は13時のお約束でしたので、12時半に待機のバスに乗り、車窓からは駿府城の石垣や国の重文の静岡浅間神社を眺め、15分程で臨済宗大龍山臨済寺に到着しました。大門には大きな紋幕が掛かり、その前で全員集合の記念写真を撮り、大門からは長い石段を元気に行く方や、脇の緩やかな行く方々やら、すっかり楽しんでいる様子でした。その先では、本日のご案内をしてくださる雲水の方がお出迎えしていただきました。「先ずはお茶を差し上げます。」と広間では次々とお茶とお菓子が運ばれて、思いがけず阿部宗徹老師のご挨拶があり、恐縮の面々の皆様でした。

一服後雲水の方のご案内で今川氏輝公、義元公の座像、猪に乗った摩利支天、立派な歴代のお位牌(国重文)、本堂、名勝庭園、復元「竹千代手習の間」等ゆっくりと拝見できました。通常は修行の為、内部は非公開となっており年2回(5月、10月)一般公開となります。昨年10月の公開はNHK大河ドラマ「どうする家康」の影響で1日約2千人の見学があり、雲水の方々は大忙しだったとか。柳営会は特別の計らいで、一般公開前の準備万端で整った処へ、16名で贅沢にも雲水の方の丁寧なご案内で日常を忘れ、ゆったりとこの駿府の場に身を置く幸せを感じました。回廊を昇り、上にある茶室から眺める先には、駿府城公園や市内のビル街が見渡せる素晴らしい眺望でした。時間は、まだ余裕があるので再びゆっくり縁側に座り庭園を楽しむ方や、再度上の茶室まで行かれる方など、思い思いに臨済寺でしたの静かな時間を過ごしていました。その後、義元公の「首塚」まで案内していただき雲水の方のお見送りを受け、待機のバスに乗り込みました。

交通もスムーズで、予定時間より早く、臨済宗金剛山宝泰寺に到着。藤原良敬副住職が境内で迎えていただき、本堂へと伺いました。今回、臨済寺特別拝観には、藤原東演住職に大変お世話になりました。宝泰寺は静岡の臨済寺、清見寺と並んで駿河三刹と称され、家康公が朝鮮王朝との友好の絆としてはじめた朝鮮通信使の休憩所として指命され、都合6回使節団が来寺し時の住職と歓談、当時の住職と正使が交換した漢詩は貴重なものです。また、現在の中庭は中根金作の作庭で駅近く街中に位置していますが、ゆったりと時間を過ごすことができました。墓処は岡部次郎正綱や江戸時代駿府勤番の石川丹後守総因など旗本の墓があり、石川英昭会員のご先祖ということで墓前で説明していただきました。因みに中條の菩提寺でもあります。
午後4時半頃には駅も目の前ですので、こちらで解散となりました。

普段なにげなく通り過ぎてしまう寺院ですが、本日は四寺院共ゆっくりと丁寧なご住職のお話や、本堂の中まで拝観させていただき、改めて自分達のご先祖様の事や歴史等学ぶ事が沢山あり、充実した研修となり得たと思います。又、行程中怪我や具合の悪くなった方も出ず、皆様のご協力で無事に終える事ができ肩の荷が降りました。静岡は德川の最初と最後の地と言われておりますが、まだまだ皆様をご案内したい場所もたくさんあります。又、機会がありましたら、ぜひご一緒できたら幸いです。

静岡支部長 中條良枝