2023年度研修旅行のご報告

10月14〜15日の一泊二日で、犬山への研修旅行を実施いたしました。

1日目は昼過ぎに犬山駅前のホテルに集合し、徒歩で犬山城を目指しました。天気は薄曇りでしたが、街歩きには心地よい気候の中を歩くこと数分、とある角を左に曲がると、古い家屋が軒を連ねた風情ある城下町が眼前に出現します。そしてその先に、犬山城の天守が遠望できました。目標物が見えていると、足取りも軽くなりますね。
お城までの往来は多くの観光客で賑わい、着物に身を包んだ若者たちとすれ違うことも。美味しそうな匂いや、食べ歩きを楽しむ人々の誘惑を振り切って、まずはお城を目指しました。

少し色づいた木々と国宝の天守をバックに、笑顔で記念写真をパチリ。
急な階段を登り天守に着くと、四方に広大なパノラマが楽しめました。木曽川からの心地良い風に疲れも吹き飛びます。
往復でやや長い道のりでしたが、みんな怪我なく無事ホテルへ戻りました。

夕刻、ホテルの一角をお借りして、犬山白帝文庫理事長・成瀬淳子様のお話を拝聴いたしました。ご自身の生い立ちや、代々犬山城を守り継いできたことへの思いなどを存分にお話し下さいました。
着物を着た若者らは、絵になる風景としてお城を背景に写真を撮るが、お城には登らないのですよ。SNS映えが目的で、彼らにとって歴史は特に意味を持っていないのです! でも、太平の世になってから、実は天守には意匠が凝らされるようになったのですよ。外から見て楽しめるお城にしようと。そういう意味では先代は慧眼だったんですね!
ちょっと神妙な雰囲気になりかけましたが、機知に富んだストーリー展開に場が和みました。おそらく聴講された皆様も大満足だったと思います。

その後、場所を近くの居酒屋に移し、成瀬様を囲んでささやかな宴を楽しみました。参加者同士の会話も弾み、あっという間に夜は更けてホテルへ戻りました。

2日目は夜からの雨がパラつく生憎の空模様でしたが、幸い徐々に天候が回復することが期待され、予定どおり木曽川からほど近い有楽庵と呼ばれる日本庭園の中にある国宝茶室・如庵へ。

到着すると、風にそよぐ竹林や隅々まで手入れの行き届いた芝生、そして群生した苔が出迎えてくれました。雨に濡れたことにより、深緑を帯びて翡翠のように輝いて見えます。
金木犀の香りも漂う中、まずはお茶室へご案内いただいて一服頂戴いたしました。

美味しいお菓子と抹茶を堪能した後、いよいよ如庵へ向かいます。なんと特別なお茶会以外では開かれない門から入場させて頂くという厚待遇! これも成瀬様のお計らいあってのことと、一同大変恐縮いたしました。
如庵は、元は武人でもあった大茶匠・織田有楽斎が京都の建仁寺に創設したお茶室ですが、その後は時代に翻弄されて各地を点々とし、今はここ犬山の地に静かに佇んでいます。茶室の建築や随所に垣間見られるきめ細やかな魅せる工夫などの興味深いお話を施設責任者の方から拝聴しながら、如庵が歩んできた歴史、そして有楽斎翁の、晩年の晴耕雨読なる日々に思いを馳せました。

この頃にはすでに青空から陽光が差していました。素晴らしい景観に名残を惜しみつつ、お迎えのマイクロバスに乗り込み最後の行程、ランチ会場の奥村邸へ。奥村邸は江戸時代の呉服商・奥村氏のお屋敷で国の登録有形文化財である旧奥村邸を改装した瀟洒なレストランです。こちらでも成瀬様とご一緒に、旬な食材のコース料理に舌鼓を打ちました。

国宝犬山城と生きる町。成瀬様のおかげさまをもちまして、至る所で盛大な歓待を受けるという幸運にも恵まれました。学びを深め、会員同士の親睦を温められたという点からも、今回は柳営会の研修旅行としてふさわしい有意義な機会であったと振り返ります。

ご参加が叶わなかった会員の方にも、旅情を少しでも共有頂けたらと願いつつ筆を擱きたいと思います。